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分析 · ステーブルコイン

USDTとは何か?ネットワーク、凍結、入金先についてTether自身の規約が書いていること

写真: Giorgio Trovato / Unsplash
要点、書類から

USDTとは何ですか?

USDTはTetherが発行し償還するドル連動のトークンで、規約は準備資産で100%裏付けられていると書いています。2026年10月9日に読んだTetherの資料では発行チェーンは13で、Tetherは保有者のトークンを凍結でき、凍結額は50億ドルを超えたとしています。

書類の最終確認日 確認者 CryptoGuardz 登録簿編集部

USDTとは、Tetherが発行し償還するトークンです。Tetherの規約はthe Digital Token referencing a unit of Fiat issued and redeemed by Tetherと定義しており、法定通貨の単位を参照してTetherが発行、償還するデジタルトークンという意味です。規約は準備資産で100% backed(100%裏付けられている)とも書いています。TetherがUSDTを発行しているブロックチェーンは13あり、規約上Tetherはどの保有者のトークンでも凍結でき、その凍結額は合計で50億ドルを超えたとTether自身が公表しています。

Tetherの資料は2026年10月9日に読みました。USDTという名前は複数のチェーンで共通ですが、どのチェーンで送るかによって、送金が届くか消えるかが決まります。この記事は投資の助言ではありません。

Tetherの規約では、USDTとは何なのか?

トークンの形をとった、Tetherに対する請求権です。2026年2月26日に最終更新された規約の1.1.39項が上の定義を置き、4.1項が裏付けを書いています。

Each Tether Token in circulation is 100% backed by an amount of assets

Tether terms of service, section 4.1, retrieved 2026-10-09

流通しているTetherトークンは1枚ごとに、相当する資産で100%裏付けられているという意味です。同じ項はTether Tokens are backed by Tether's Reserves, including Fiat, but Tether Tokens are not Fiat themselves.とも書いています。法定通貨を含むTetherの準備資産で裏付けられているが、トークンそのものは法定通貨ではない、ということです。Tetherから直接発行や償還を受けられるのは、Tetherの本人確認を済ませた顧客だけです。手数料表を見ると、普通の利用者がその顧客にならない理由がわかります。

Tether手数料表の項目金額
本人確認の手数料Tetherトークンで150米ドル
発行、償還の最低額100,000米ドル
償還1回の手数料1,000ドルか0.1%の大きいほう
発行1回の手数料0.1%

利用者は、Tetherの手前にいる取引所やブローカーからUSDTを買い、同じ経路で売ります。規約が書く直接の償還の権利は10万ドル単位の顧客のもので、手元に300 USDTを持つ人のものではありません。Tetherの透明性ページはThe Tether Issuer's assets exceed its liabilities.、つまり発行体の資産が負債を上回っていると書いています。ただ、残高の見出しの下にある数字は2026年10月9日の取得で表示されなかったため、流通量や準備資産の数字はここに載せていません。未確認です。

USDTはどうやって買うのか?

実際には、取引所の口座を通して買います。取引所の登録簿は18の取引所のうち11について、2026年9月22日から10月8日にかけて各社のネットワーク一覧から読んだUSDTの出金ネットワークを記録しています。残る7社は、一覧が読めなかったか、USDTを扱っていません。Robinhood Cryptoの米国向けの取扱銘柄ページは、取引に対応しない資産としてTetherを挙げ、Cash Appの仮想通貨はビットコインです。いずれも米国のサービスで、日本の金融庁に登録された国内の取引所がUSDTをどう扱っているかは、この記事では確認しておらず、未確認です。

買う操作は簡単です。大事なのは出金画面で選ぶネットワークで、次の節はそこから始まります。

USDTはどのブロックチェーンで発行されているのか?

2026年10月9日に読んだTetherの対応プロトコルのページでは13です。Ethereum、Avalanche、Kava経由のCosmos、Celo、Kaia、Tron、Liquid、Solana、Polkadot AssetHub、Tezos、Near、TON、Aptosです。

ほかに5つが廃止扱いになっています。ページはKusama、Bitcoin Cash SLP、Omni Layer、EOS、Algorandについて、Tetherはno longer issuing or obligated to redeem Tether Tokens、つまりもう発行しておらず償還の義務も負わないと書き、規約の4.1項はこれらのチェーンでの償還の終了を2025年9月1日としています。これらのチェーン上のUSDTは、Tetherがもう買い戻すと約束していないトークンです。

もうひとつ、利用者が気づく空白があります。BNB Smart ChainはTetherのページに出てきますが、そこに示されるTetherのトークンは金のトークンであるXAU₮だけです。取引所がBNB Chainで扱うUSDTは、TetherのUSD₮のチェーン一覧に載っておらず、誰が発行しているかはTetherのページでは非開示です。ラップやブリッジを経たトークンも同じで、規約の4.5項はそうしたトークンがare not sold or issued through the Site or supported by Tether.、つまりTetherのサイトで販売、発行されたものではなく、Tetherの対応外だとしています。

TetherはUSDTを凍結できるのか?

できます。規約は3か所でそう書いています。まず2項です。

Tether may suspend or terminate your access to the Site or any of the Services, freeze any Tether Tokens held by you,

Tether terms of service, section 2, retrieved 2026-10-09

Tetherはサイトやサービスへのアクセスを停止、終了し、保有するTetherトークンを凍結できる、という意味です。9項はTether reserves the right to bar transactions from or to, to undertake enhanced due diligence,(取引を差し止め、強化された審査を行う権利を留保する)で始まり、16項はTetherの救済手段としてthe right to either freeze your Tether Tokens or seize、トークンを凍結するか差し押さえる権利を挙げています。これはTetherの顧客だけに及ぶ力ではありません。凍結されたアドレスは、誰が鍵を持っていても、そのチェーン上でUSDTを動かせなくなります。アドレスの持ち主がTetherの顧客である必要もありません。

TetherはこれまでにどれだけのUSDTを凍結したのか?

2026年9月28日時点のTether自身の集計で50億ドル超です。数字はTetherのニュースリリースから取ったもので、監査されたものではありません。5か月あいだを置いた2本のリリースで、総額は増えています。

Tetherのリリース凍結総額米国当局関連協力機関国捜査件数
2026年4月23日44億ドル超21億ドル超340超652,300件超
2026年9月28日50億ドル超24億ドル超340超702,850件超

9月のリリースは中で数字が食い違っています。本文はmore than 2,850 investigations globally(世界で2,850件超の捜査)と書き、見出しの要約は2,900件超としています。表は本文の数字を使いました。どちらのリリースも、総額をチェーン別、年別に分けておらず、あとで被害者に返された額も示していないため、ここにも載せていません。

利用者にとっての論点はもっと狭いものです。サービス事業者の入金用アドレスも、ほかと同じひとつのアドレスです。事業者のアドレスが凍結されれば中のUSDTは動かなくなり、利用者の残高がどうなるかを決めるのはTetherではなく、その事業者の規約です。

入金のとき、なぜネットワークが重要なのか?

TronのUSDTとEthereumのUSDTは、別々の台帳の上にある別のトークンで、入金用アドレスはそのどちらかに属しているからです。Tetherの規約の5項はTether Token transactions are not reversible.、つまりTetherトークンの取引は取り消せないと書き、リスクを送る側に置いています。チェーンを間違えたときにどうなるかは、MetaMaskのヘルプセンターが書いています。

If you sent tokens to an address on a non-EVM network, it's likely your tokens are gone forever.

MetaMask help centre, I sent crypto to the wrong place, retrieved 2026-10-09

EVM以外のネットワークのアドレスに送ってしまったら、トークンはおそらく永久に失われる、という意味です。EVMのチェーン同士なら、同じページはthe tokens are not lost(トークンは失われていない)としており、理由はYour Secret Recovery Phrase generates the same address across all EVM-compatible networks、つまりシークレットリカバリーフレーズがEVM互換のすべてのネットワークで同じアドレスを作るからです。この救済が効くのは、送った本人が管理するウォレットの場合です。取引所や事業者の入金用アドレスは相手が管理しているので、チェーンを間違えた送金が戻るかどうかは、相手がそうするかどうか次第です。

手数料もチェーンで決まります。EthereumでのUSDTの出金はEthereumのガス代を払い、同じ額でもTronやSolanaならそれぞれのチェーンの手数料です。登録簿はネットワーク手数料を測っておらず未測定で、取引所は出金画面に自社の数字を出すので、比べるべきはその画面の数字です。

取引所はどのネットワークでUSDTを出金できるのか?

USDTの出金一覧を読めた11の取引所で数えました。

ネットワークそのネットワークでUSDTを出金できる取引所
Ethereum11
Tron9
Solana9
Arbitrum9
Polygon8
Avalanche8
Optimism6
TON6
BNB Chain5

CoinbaseはUSDTをEthereum、Polygon、Arbitrumでしか出金せず、Crypto.com ExchangeはTronの経路を挙げていません。どちらも取引所の登録簿に記録しています。ウォレットの側では、ウォレットの登録簿 (英語)にある30のウォレットのうち、Tronを挙げるのが16、BNB Chainを挙げるのが17です。あるネットワーク用に選んだ自己管理型ウォレットが、別のネットワークのUSDTを扱えないこともあります。TronのUSDTの解説は、上の表の多くの取引所が対応している経路を扱っています。

登録簿のカジノの記録は、日本の読者にとって何を意味するのか?

英語版のこの記事は、海外のオンラインカジノがUSDTをどのネットワークで受け付けているかを数えています。登録簿の24のカジノのうち20が自社の通貨の書類でUSDTを挙げ、ネットワークまで記録されているのは2件だけで、残り18件はデータなしです。日本の読者向けには、この記録を事業者の名前やリンクとともには載せません。日本の刑法185条は賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。と定めています(2026年10月16日にe-Gov法令検索で確認)。海外のサイトにUSDTで入金して賭けることも、日本からの利用であれば日本の法律の問題になります。この記事は利用を勧めるものではありません。

この記事でわからないこと

各チェーンでどれだけのUSDTが流通しているか。透明性ページの数字は表示されませんでした。BNB Chainで扱われるUSDTを誰が発行しているか。日本の取引所がどのネットワークでUSDTを扱っているか。Tetherにアドレスを凍結された事業者があるか。読んだ記録とTetherのリリースには、そうした名前は出てきません。いずれも未確認です。

よくある質問

USDTとは何ですか?

Tetherが発行し償還するトークンで、規約の1.1.39項が定義し、4.1項が準備資産で100% backedと書いています。Tetherは13のチェーンを挙げています。USDCとUSDTの違い (英語)も参照してください。

TetherにUSDTを凍結されることはありますか?

あります。規約の2項はfreeze any Tether Tokens held by you、16項はfreeze your Tether Tokens or seizeと書いています。Tetherは2026年9月28日までに50億ドル超を凍結したとしています。

BNB ChainのUSDTはTetherが発行しているのですか?

2026年10月9日に読んだTetherの対応プロトコルのページには13のUSD₮のチェーンが並び、BNB Smart Chainは含まれていません。登録簿の11の取引所のうち5社は、BNB ChainでのUSDTの出金をまだ扱っています。

ネットワークを間違えてUSDTを送るとどうなりますか?

Tetherの規約は取引をare not reversible、取り消せないとしています。MetaMaskは、EVM以外のネットワークに送ったトークンはlikely、おそらく失われると書いています。相手のアドレスなら、戻すかどうかは相手次第です。

ギャンブルが自分の意思でやめられなくなっていると感じたら、日本では依存症対策全国センター(久里浜医療センター、https://www.ncasa-japan.jp/)が各都道府県の相談窓口と治療機関を案内しています。安全なギャンブルのページ (英語)に市場ごとの相談先があります。

出典

出典はそれぞれ元のタイトルのまま、公開された言語で、取得した日付とともに載せています。

  1. Tether terms of service, last updated 26 February 2026, retrieved 2026-10-09
  2. Tether supported protocols, retrieved 2026-10-09
  3. Tether fee schedule, retrieved 2026-10-09
  4. Tether transparency page, retrieved 2026-10-09
  5. Tether news, Tether Has Supported Nearly $550 Million in Iran-Linked USD₮ Freezes, 28 September 2026, retrieved 2026-10-09
  6. Tether news, Tether Supports Freeze of More Than $344 Million in USD₮, 23 April 2026, retrieved 2026-10-09
  7. MetaMask help centre, I sent crypto to the wrong place, retrieved 2026-10-09
  8. CryptoGuardz casino register, coin lists in data/operators, documents read 2026-09-02 to 2026-10-02
  9. CryptoGuardz USDT payment page, 20 of 24 operators
  10. CryptoGuardz exchange register, USDT withdrawal networks, read 2026-09-22 to 2026-10-08
  11. CryptoGuardz wallet register, chains named by each wallet
  12. CryptoGuardz safer gambling file
  13. e-Gov法令検索、刑法(明治四十年法律第四十五号)第185条、retrieved 16 October 2026

この記事について

上に挙げた出典をもとに、CryptoGuardzの登録簿チームがまとめました。調査と下書きにはAIの支援を使い、公開前に名前を明記した編集者が確認しています。この記事はギャンブルを勧めるものではありません。数字や読み方に誤りがあればお知らせください (英語)。訂正は公開の場で記録します。

この記事には英語版もあります: What is USDT? Networks, freezes and deposits